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猫と登山と酒 neco2010.exblog.jp

2019年9月から山登りを始めました。猫好き。


by ねこまる

『虫眼とアニ眼』

虫眼とアニ眼』は、養老孟司と宮崎駿の1997~2001に渡る3度の対談集。
巻頭には、宮崎駿の絵による対談後の思いが描かれ、
巻末には、養老孟司による文字による宮崎論が書かれ、
その両者の「表現」が、本文の対談をきっちり囲んで完成されている本です。

ものの本質を理解することで、自由に豊かに生きることができる。
「ものの本質」とは、頭で理解できる(理論や文字という形にできる)こととは限らない。
というのが読んですぐに印象に残ったことです。
…と言いつつも、養老先生が巻末で宮崎アニメの魅力を文字できっちり説明できているところは流石ですが。
私はいつも、説明や主張を文章で表現することに独りで勝手に四苦八苦しているので、
(今のところそれしか「表現」できる手段を持っていないので)
この本を読むと、「そうなんだよなぁ」と思うのです。

読後の感想が「そうなんだよなぁ」かよ!
と自分でも思うのだけれど。

でも、この本を読んで、自分の中に(誰の心の中にもきっともちろん)
モヤモヤした形で存在していたものが、
<言葉では説明できないけれど>
わりとクリアになってきたように思います。
私が「こうやって生きていたい」と感じている方向性はコレだな、と改めて思いました。


いつも思うのだけど、ものの本質をきっちり捉えられている人ほど
(その理解が、理論であれ、言葉する必要のない本質的な受け取りであれ)
平易な言葉でそれを相手に伝えることができるようです。
頭の悪い人ほど(失礼!)、あるいは、理解できていると思い込んでいる人ほど
こむずしい言葉を使って相手を混乱させたりする。

何かを表現するとき、それがどのような表現方法であれ、
相手の心にスッと入っていって共有できなければ、
そこには理解もないし、本質も捉えられない。
逆に言えば、相手の心にジワッと染み込むならば、どんな表現方法でも構わない。
そして、それを広く受け入れる気持ち(あるいは準備、器)が常に自分の中にあれば、
もっともっと豊かに生きることができるのだなぁ!




Commented by みかえる♪ at 2016-01-08 17:16 x
最後の6行、プリントアウトして仕事部屋に貼っておきたい!
特にここ
>相手の心にジワッと染み込むならば、どんな表現方法でも構わない
私も常にめざしているところです。
ああ。いい言葉、拾ったわ。ありがとうございます。

「虫眼とアニ眼」ですか・・・
読んでみたいです。
Commented by necochan2010 at 2016-01-08 20:03
こんにちは!
いやいや、そんな立派なことなんて書いてませんので、
そんなこと言われたら本当に赤面ものです。。
対談は、偏屈なオッサンが話し合ってるなぁという箇所もありますが(笑)、
こんな中高年になれたら楽しそうだなと思います。
二人ともすごい高みにいるはずなのに、とても人間臭く、
豊かに生きておられますよ(^^)
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by necochan2010 | 2016-01-08 09:42 | # 読書感想文 | Comments(2)